モダンメタデッキ考察１
2012年1月14日 MTG■Jund
【Main Deck
4《黒割れの崖/Blackcleave Cliffs》
1《血の墓所/Blood Crypt》
2《銅線の地溝/Copperline Gorge》
1《森/Forest》
2《草むした墓/Overgrown Tomb》
2《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
2《沼/Swamp》
3《樹上の村/Treetop Village》
2《黄昏のぬかるみ/Twilight Mire》
4《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
4《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》
4《闇の腹心/Dark Confidant》
1《永遠の証人/Eternal Witness》
4《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》
4《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
1《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》
4《荒廃稲妻/Blightning》
4《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
4《稲妻/Lightning Bolt》
2《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
3《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
2《終止/Terminate》
【Sideboard
2《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1《焼却/Combust》
1《四肢切断/Dismember》
1《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
2《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2《強情なベイロス/Obstinate Baloth》
2《金屑の嵐/Slagstorm》
2《外科的摘出/Surgical Extraction》
2《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》
ALA-ZENの環境を支配し、ジャンド教だの、ジャンドでなければデッキで無いだの、坊主捲りゲーだのを生み出した超アドバンテージデッキ。そのモダンでのアッパーバージョンです。モダン初期は、環境の速度がキチガイ過ぎて、せっかく得たアドバンテージを生かす前に死んでしまうため、目立たなかったデッキですが、環境の低速化に伴い、目覚ましい復権を果たしました。
前回の禁止で、罰する炎を失い、永久機関を一つ失いましたが、デッキ自体が既にアドバンテージの塊なので、他のデッキにこのエンジンが使えなくなった分、潜在的なアドバンテージが広がったとまで言えるかもしれません。
スタンダードとの主な違いは、生物の優秀さと、マナ基盤の優秀さです。主軸になる《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》が4マナと重いため本来ならば、マナ生物を足してマナブーストをしたいのですが、続唱の特性上、マナソースは土地に頼らざるを得ないデッキです。スタンダードでは、多色地形のクセの強さがデッキの動きを阻害していましたが、フェッチ→ギルドランド、フィルターといった優秀なアンタップイン地形を多用し、もっさり感がかなり改善されています。
また、低マナ域の生物も大幅に強化されています。環境最優秀2マナ生物群の《タルモゴイフ/Tarmogoyf》、《闇の腹心/Dark Confidant》を無理なく使え、優秀な頑強生物の《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》も使えます。ユーティリティが必要であれば、《永遠の証人/Eternal Witness》も使えるため、アドバンテージには事欠かないはずです。
スペルは、火力、除去、手札破壊が詰め込まれています。モダンの環境は、攻めるコントロールカードが強いため、1マナの手札破壊は、非常に有効です。《思考囲い/Thoughtseize》は、相手の有効牌を制限無く捨てさせることが出来ますし、環境が低マナ域によっているため、《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》は、スタンダードよりも強力に機能します。また、ジャンドに許された除去である《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》と、終始等の確定除去も搭載してあるため、対応力も半端じゃありません。
特筆することは、血編み髪→リリアナの流れです。イニストラードでリリアナという3マナのＰＷを得たため、血編みからの続唱でＰＷまでキャストすることが可能になりました。3/2速攻と除去機能付きのＰＷが4マナで一辺に場に出てしまうのは、モダンといえども脅威です。
サイドボードは、メインで対応できない全体除去と、苦手デッキの対策が多く割かれています。
環境に親和が多く存在するため、古の遺恨はほぼ必須です。また、生物を並べるデッキに対応は、全体除去である《炎渦竜巻/Firespout》や、金属の嵐が多く採用されます。《炎渦竜巻/Firespout》については、可変の優秀除去ですが、続唱経由でキャストすると、悲しみを背負うので、ダブルシンボルが少々キツめですが、金属の嵐の方が安定するでしょう。
また、手札破壊があるとはいえ、回り始めると生んでしまうので、コンボ対策も重要です。最近はストームが多いため、《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》を多く見かけます。後は、手札破壊から、《根絶/Extirpate》や《外科的摘出/Surgical Extraction》でパーツを根こそぎ除外してしまうのがジャンドの取れる主なコンボ対策になります。
さて、対戦すると、非常にやっかいなデッキなジャンド。対策としては、やはりその3色のマナベースを攻めるのが最も簡単です。といえば、出てくるのが簡単多色《殺し/Snuff Out》エンチャントの《血染めの月/Blood Moon》。亜種である月の大魔《道士/Taoist Mystic》は、稲津まで落ちてしまうため、効果はイマイチ君ですが、ある程度の効果は期待できます。まぁ、フェッチで基本地形を意識して持ってこられてしまうと、脈動で破壊されるので、過信は禁物です。
高度なアドバンテージ源である血編みの続唱を潰してしまうのも効果的です。白であれば、エーテリウム宣誓会の法学者、《法の定め/Rule of Law》が続唱を遮断します。アーティファクトを使うのであれば、《倦怠の宝珠/Torpor Orb》で《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》のライフ回復も対応できます。特に、宝珠の場合、双子対策も兼ねるのでサイドの枠を圧縮できます。
デッキ的にアドバンテージが効果を見せるまで長引かない勝負も苦手です。赤単や親和であれば、速度で圧倒すれば何とかなります。ただし、相手の除去の数も相当数積まれているため、同じく過信は禁物です。
元々デッキ内にパワーカードが詰め込まれている状態なので、バリエーションはさほど多く存在しません。火力の水増しで、《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》が積まれていたりする程度です。まぁ、この生物もフェッチが存在する環境なので、「程度」では済まない破壊力はあるんですけどね…^ ^;
■Merfolk
【Main Deck
18《島/Island》
2《変わり谷/Mutavault》
4《珊瑚兜の司令官/Coralhelm Commander》
4《呪い捕らえ/Cursecatcher》
4《アトランティスの王/Lord of Atlantis》
4《マーフォークの君主/Merfolk Sovereign》
4《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》
4《銀エラの達人/Silvergill Adept》
4《霊気の薬瓶/AEther Vial》
4《マナ漏出/Mana Leak》
4《呪文貫き/Spell Pierce》
4《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
【Sideboard
2《残響する真実/Echoing Truth》
2《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
3《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅/Kira, Great Glass-Spinner》
3《否認/Negate》
3《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
1《睡眠/Sleep》
1《鋼の妨害/Steel Sabotage》
【Main Deck
4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
11《島/Island》
4《変わり谷/Mutavault》
1《湿った墓/Watery Grave》
4《珊瑚兜の司令官/Coralhelm Commander》
4《闇の腹心/Dark Confidant》
4《アトランティスの王/Lord of Atlantis》
4《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》
2《幻影の像/Phantasmal Image》
4《銀エラの達人/Silvergill Adept》
2《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
4《霊気の薬瓶/AEther Vial》
2《謎めいた命令/Cryptic Command》
3《四肢切断/Dismember》
4《マナ漏出/Mana Leak》
3《呪文嵌め/Spell Snare》
【Sideboard
1《四肢切断/Dismember》
4《否認/Negate》
3《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
4《呪文貫き/Spell Pierce》
3《不忠の糸/Threads of Disloyalty》
レガシーでも使用される、薬瓶から出てくる魚の群れデッキです。
前回の禁止の影響で、最も利益を得たデッキでしょう。
当初は、薬瓶があるものの、ピッチカウンターが無いため、コンボスピードについていけないわ、Zooのナカティルにサイズ負けして悲しみを背負うわ、挙句の果てに、罰する炎に出した生物が全部除去されると、踏んだり蹴ったりな状況でしたが、禁止でZooが大打撃を被ったため、大きく躍進することになりました。
デッキのキーパーツは、エクステンデッドで禁止にまでなった《霊気の薬瓶/AEther Vial》と、環境毎に地味に増えていった多くの魚ロードです。
薬瓶は、ミラディンブロックや、レガシーをやっていない人々には、強さがピンと来ないかも知れませんが、毎ターン確実に生物を場に出すぶっ壊れアーティファクトの一つです。
カウンターをすり抜けて、マナを必要とせずに生物が場に出ることは、非常に危険で、青にやらせるとカウンターするわ、カードを引くわでロクな事がないのですが、部族押しのモダンでは、禁止でなく、無事に使えるようになっています。
ちなみに、相手のエンド前に生物が出て、擬似速攻状態だったり、自分のターンに薬瓶のカウンターを増やすのにスタックで、生物が出てくるなど、非常にトリッキーな動きを見せますので、慣れない場合は、要練習です。
そして、数を増やすことでサイズアップしていく、増えすぎた優秀な魚生物が薬瓶の強さを支えます。特に、マーフォークはロード生物が多く、青単の場合、16体と、デッキ内の生物の過半数がロードです。《アトランティスの王/Lord of Atlantis》が全てのマーフォークに《島/Island》渡りを付与するため、ギルドランドを渡ってくるので、《島/Island》が入ったデッキで、生物同士の殴り合いは非常に不利になります。（《変わり谷/Mutavault》も渡ってきます。）薬瓶と相性が良いのは、《珊瑚兜の司令官/Coralhelm Commander》で、レベルアップががっちりと噛み合います。また、《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》の能力は、土地をアンタップして擬似マナブーストをしたり、ブロッカーをタップさせたりと、地味ですがとても融通が利く能力になっています。
スペルは、青らしく軽量カウンターで占められており、大振りなデッキは辛い勝負を強いられるでしょう。クロックパーミッション強いですね。
サイドは、全体除去や除去デッキへの対策が多く採られます。
大いなる梁紡ぎ、綺羅は、スタンダードではあまり印象に残っていないのですが、全ての生物へのファーストアクションを打ち消すので、生物の除去が艱難になり、押し切れる時間を作ってくれます。特に、重いジャンドなどによく利きます。（薬瓶から出るしね。）
《残響する真実/Echoing Truth》は、置物を戻したり、トークンをバウンスしたりと非常に高性能なバウンススペルです。全体除去は、主に《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》でこなします。また、生物対策として、《不忠の糸/Threads of Disloyalty》や、誘惑撒きもよく見かけるサイドです。
なお、最近は《睡眠/Sleep》がサイドに入っているケースが多く見られるので、生物同士で殴りあった際に、計算が狂わせることができます。ってか、撃ったら大体ゲーム決まる…。
このデッキへの対策は、やはりスピード勝負です。展開が薬瓶ベースのため、受けに回らせれば案外そのまま押し切れたりします。
また、除去の連打も有効です。マナ域が軽い生物が主体になるため、通常であれば線が細くなりがちですが、数々のロードのため、細かさが補填され、がっしりしたパンチ力になります。そのため、通常の火力を過信すると火力が利かなくなる可能性があるので、１体１体確実に捌く事が重要になります。
全体除去は非常に有効ですが、カウンターを握られていると駄目だったり、ロード補正でいきなり大ダメージを食らったりするので、引き付けるよりも、欲張らずに撃つ方がいいでしょう。ちなみに、赤の全体火力はタフネスの補正が掛かる事を見越して撃たないと、シャクられるどころの被害では済まなくなるので注意です。
一番効く火力は、《焼却/Combust》でしょうね（笑
バリエーションとして、青黒型と、青白型が見られます。
青白型は、シグ、《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt》等が採用されており、守備や、長期戦に強くなっています。
青黒型は、上にサンプルレシピを載せました。こちらは、黒の最強生物である《闇の腹心/Dark Confidant》を採用しており、アドバンテージを稼げる構成になっています。また、除去や《謎めいた命令/Cryptic Command》等のユーティリティも採用されており、デッキパワーが高くなっています。
■UW Tron
【Main Deck
1《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》
1《埋没した廃墟/Buried Ruin》
2《天界の列柱/Celestial Colonnade》
1《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
2《島/Island》
1《霧深い雨林/Misty Rainforest》
1《平地/Plains》
4《金属海の沿岸/Seachrome Coast》
1《トレイリア西部/Tolaria West》
4《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4《ウルザの塔/Urza’s Tower》
1《真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth》
4《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet》
2《卑下/Condescend》
1《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
1《審判の日/Day of Judgment》
1《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
2《探検の地図/Expedition Map》
3《けちな贈り物/Gifts Ungiven》
1《解放された者、カーン/Karn Liberated》
1《軍部政変/Martial Coup》
2《精神隷属器/Mindslaver》
4《流刑への道/Path to Exile》
4《差し戻し/Remand》
2《撤廃/Repeal》
4《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
1《神の怒り/Wrath of God》
【Sideboard
1《悪斬の天使/Baneslayer Angel》
1《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》
2《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》
1《ウギンの目/Eye of Ugin》
2《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3《法の定め/Rule of Law》
4《機を見た援軍/Timely Reinforcements》
1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
往年のトロンです。モダンでは、《けちな贈り物/Gifts Ungiven》を搭載した青白が良く見られます。
環境初期では、神座のために、見向きもされなかったんですが、禁止のせいで環境が低速化し、カードパワーを発揮できるようになったため、最近増えています。
ラヴニカ〜らせん期によく見かけたトロン。
×アンティキティーのウルザ地形を揃えて、爆発的なマナを生成し、コントロールするデッキです。
全体的に重いカードでのコントロールを主軸にしているため、ウルザ地形を場に出すのが最初のミッションになるのですが、これには、《けちな贈り物/Gifts Ungiven》を使用したりします。まぁ、それは極論でも、ゼンディガーの《探検の地図/Expedition Map》、《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》があるため、《知識の渇望/Thirst for Knowledge》で捨てて墓地経由だったり、ライブラリーから探してきたり、《探検の地図/Expedition Map》を《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》で回したりすれば割と揃います。
このデッキでは、《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》で強力アーティファクトをしゃぶりつくすのも勝ち手段の一つであるため、他のデッキよりも《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》の価値が高いです。特に、10マナ揃った状態で精神《隷属/Enslave》機を回されると、全部相手にコントロールされて生にます。精神《隷属/Enslave》機は、ルール改正により、サイドボードの確認も出来てしまうため、要注意です。
ジャッジメント系は、各種優秀なものがちりばめられていますが、これは《けちな贈り物/Gifts Ungiven》のためです。
他の特徴として、PWのカーン、4枚ドローのコジレック、《隔離するタイタン/Sundering Titan》などの重力爆撃打線が採用されることが多いです。
案外カウンターもいい数採用されている場合が多いため、常に警戒が必要です。
サイドボードからは、機をみた援軍が入ってきます。そのため、生物デッキには非常に強くなります。正直、モダン環境での《機を見た援軍/Timely Reinforcements》は、後続が強いために、スタンダードよりもはるかに強力な影響を及ぼします。2〜3ターン余裕ができれば、爆薬の連打や、隷属機など、リカバリ出来ない領域に入ることができるため、凄まじく強く感じると思います。また、ワームコイルエンジンや、《悪斬の天使/Baneslayer Angel》まで採用されるので、ライフを攻めるデッキには、まさしく無双状態になるでしょう。（こんなにケアできねぇ！）
対策としては、やはり《血染めの月/Blood Moon》です。除去にマスデスが多いため、《月の大魔術師/Magus of the Moon》も十分な効果を発揮できるでしょう。とにかく、土地が強いので、《大爆発の魔道士/Fulminator Mage》も有効です。殻では、こちらの方が運用し易いでしょう。ただし、印鑑で色マナの補給が可能ですので、他の対策同様、過信は禁物です。
また、アーティファクトの含有量が多めですので、古の遺恨を始めとしたアーティファクト対策もしっかりしておきたい所です。ただし、《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》があるので、だらだらしているとあっという間にアドバンテージを取り返される事もお忘れなく。
バリエは、各種他の色のトロンがあります。
緑を積む場合は、《歯と爪/Tooth and Nail》で、エルドラ祭りになりますし、赤緑の場合は、《歯と爪/Tooth and Nail》に加え、《裂け目の突破/Through the Breach》でシュートしてきます。
【Main Deck
4《黒割れの崖/Blackcleave Cliffs》
1《血の墓所/Blood Crypt》
2《銅線の地溝/Copperline Gorge》
1《森/Forest》
2《草むした墓/Overgrown Tomb》
2《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
2《沼/Swamp》
3《樹上の村/Treetop Village》
2《黄昏のぬかるみ/Twilight Mire》
4《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
4《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》
4《闇の腹心/Dark Confidant》
1《永遠の証人/Eternal Witness》
4《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》
4《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
1《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》
4《荒廃稲妻/Blightning》
4《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
4《稲妻/Lightning Bolt》
2《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
3《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
2《終止/Terminate》
【Sideboard
2《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1《焼却/Combust》
1《四肢切断/Dismember》
1《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
2《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
2《強情なベイロス/Obstinate Baloth》
2《金屑の嵐/Slagstorm》
2《外科的摘出/Surgical Extraction》
2《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》
ALA-ZENの環境を支配し、ジャンド教だの、ジャンドでなければデッキで無いだの、坊主捲りゲーだのを生み出した超アドバンテージデッキ。そのモダンでのアッパーバージョンです。モダン初期は、環境の速度がキチガイ過ぎて、せっかく得たアドバンテージを生かす前に死んでしまうため、目立たなかったデッキですが、環境の低速化に伴い、目覚ましい復権を果たしました。
前回の禁止で、罰する炎を失い、永久機関を一つ失いましたが、デッキ自体が既にアドバンテージの塊なので、他のデッキにこのエンジンが使えなくなった分、潜在的なアドバンテージが広がったとまで言えるかもしれません。
スタンダードとの主な違いは、生物の優秀さと、マナ基盤の優秀さです。主軸になる《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》が4マナと重いため本来ならば、マナ生物を足してマナブーストをしたいのですが、続唱の特性上、マナソースは土地に頼らざるを得ないデッキです。スタンダードでは、多色地形のクセの強さがデッキの動きを阻害していましたが、フェッチ→ギルドランド、フィルターといった優秀なアンタップイン地形を多用し、もっさり感がかなり改善されています。
また、低マナ域の生物も大幅に強化されています。環境最優秀2マナ生物群の《タルモゴイフ/Tarmogoyf》、《闇の腹心/Dark Confidant》を無理なく使え、優秀な頑強生物の《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》も使えます。ユーティリティが必要であれば、《永遠の証人/Eternal Witness》も使えるため、アドバンテージには事欠かないはずです。
スペルは、火力、除去、手札破壊が詰め込まれています。モダンの環境は、攻めるコントロールカードが強いため、1マナの手札破壊は、非常に有効です。《思考囲い/Thoughtseize》は、相手の有効牌を制限無く捨てさせることが出来ますし、環境が低マナ域によっているため、《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》は、スタンダードよりも強力に機能します。また、ジャンドに許された除去である《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》と、終始等の確定除去も搭載してあるため、対応力も半端じゃありません。
特筆することは、血編み髪→リリアナの流れです。イニストラードでリリアナという3マナのＰＷを得たため、血編みからの続唱でＰＷまでキャストすることが可能になりました。3/2速攻と除去機能付きのＰＷが4マナで一辺に場に出てしまうのは、モダンといえども脅威です。
サイドボードは、メインで対応できない全体除去と、苦手デッキの対策が多く割かれています。
環境に親和が多く存在するため、古の遺恨はほぼ必須です。また、生物を並べるデッキに対応は、全体除去である《炎渦竜巻/Firespout》や、金属の嵐が多く採用されます。《炎渦竜巻/Firespout》については、可変の優秀除去ですが、続唱経由でキャストすると、悲しみを背負うので、ダブルシンボルが少々キツめですが、金属の嵐の方が安定するでしょう。
また、手札破壊があるとはいえ、回り始めると生んでしまうので、コンボ対策も重要です。最近はストームが多いため、《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》を多く見かけます。後は、手札破壊から、《根絶/Extirpate》や《外科的摘出/Surgical Extraction》でパーツを根こそぎ除外してしまうのがジャンドの取れる主なコンボ対策になります。
さて、対戦すると、非常にやっかいなデッキなジャンド。対策としては、やはりその3色のマナベースを攻めるのが最も簡単です。といえば、出てくるのが簡単多色《殺し/Snuff Out》エンチャントの《血染めの月/Blood Moon》。亜種である月の大魔《道士/Taoist Mystic》は、稲津まで落ちてしまうため、効果はイマイチ君ですが、ある程度の効果は期待できます。まぁ、フェッチで基本地形を意識して持ってこられてしまうと、脈動で破壊されるので、過信は禁物です。
高度なアドバンテージ源である血編みの続唱を潰してしまうのも効果的です。白であれば、エーテリウム宣誓会の法学者、《法の定め/Rule of Law》が続唱を遮断します。アーティファクトを使うのであれば、《倦怠の宝珠/Torpor Orb》で《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》のライフ回復も対応できます。特に、宝珠の場合、双子対策も兼ねるのでサイドの枠を圧縮できます。
デッキ的にアドバンテージが効果を見せるまで長引かない勝負も苦手です。赤単や親和であれば、速度で圧倒すれば何とかなります。ただし、相手の除去の数も相当数積まれているため、同じく過信は禁物です。
元々デッキ内にパワーカードが詰め込まれている状態なので、バリエーションはさほど多く存在しません。火力の水増しで、《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》が積まれていたりする程度です。まぁ、この生物もフェッチが存在する環境なので、「程度」では済まない破壊力はあるんですけどね…^ ^;
■Merfolk
【Main Deck
18《島/Island》
2《変わり谷/Mutavault》
4《珊瑚兜の司令官/Coralhelm Commander》
4《呪い捕らえ/Cursecatcher》
4《アトランティスの王/Lord of Atlantis》
4《マーフォークの君主/Merfolk Sovereign》
4《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》
4《銀エラの達人/Silvergill Adept》
4《霊気の薬瓶/AEther Vial》
4《マナ漏出/Mana Leak》
4《呪文貫き/Spell Pierce》
4《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
【Sideboard
2《残響する真実/Echoing Truth》
2《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
3《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅/Kira, Great Glass-Spinner》
3《否認/Negate》
3《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
1《睡眠/Sleep》
1《鋼の妨害/Steel Sabotage》
【Main Deck
4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
11《島/Island》
4《変わり谷/Mutavault》
1《湿った墓/Watery Grave》
4《珊瑚兜の司令官/Coralhelm Commander》
4《闇の腹心/Dark Confidant》
4《アトランティスの王/Lord of Atlantis》
4《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》
2《幻影の像/Phantasmal Image》
4《銀エラの達人/Silvergill Adept》
2《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
4《霊気の薬瓶/AEther Vial》
2《謎めいた命令/Cryptic Command》
3《四肢切断/Dismember》
4《マナ漏出/Mana Leak》
3《呪文嵌め/Spell Snare》
【Sideboard
1《四肢切断/Dismember》
4《否認/Negate》
3《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》
4《呪文貫き/Spell Pierce》
3《不忠の糸/Threads of Disloyalty》
レガシーでも使用される、薬瓶から出てくる魚の群れデッキです。
前回の禁止の影響で、最も利益を得たデッキでしょう。
当初は、薬瓶があるものの、ピッチカウンターが無いため、コンボスピードについていけないわ、Zooのナカティルにサイズ負けして悲しみを背負うわ、挙句の果てに、罰する炎に出した生物が全部除去されると、踏んだり蹴ったりな状況でしたが、禁止でZooが大打撃を被ったため、大きく躍進することになりました。
デッキのキーパーツは、エクステンデッドで禁止にまでなった《霊気の薬瓶/AEther Vial》と、環境毎に地味に増えていった多くの魚ロードです。
薬瓶は、ミラディンブロックや、レガシーをやっていない人々には、強さがピンと来ないかも知れませんが、毎ターン確実に生物を場に出すぶっ壊れアーティファクトの一つです。
カウンターをすり抜けて、マナを必要とせずに生物が場に出ることは、非常に危険で、青にやらせるとカウンターするわ、カードを引くわでロクな事がないのですが、部族押しのモダンでは、禁止でなく、無事に使えるようになっています。
ちなみに、相手のエンド前に生物が出て、擬似速攻状態だったり、自分のターンに薬瓶のカウンターを増やすのにスタックで、生物が出てくるなど、非常にトリッキーな動きを見せますので、慣れない場合は、要練習です。
そして、数を増やすことでサイズアップしていく、増えすぎた優秀な魚生物が薬瓶の強さを支えます。特に、マーフォークはロード生物が多く、青単の場合、16体と、デッキ内の生物の過半数がロードです。《アトランティスの王/Lord of Atlantis》が全てのマーフォークに《島/Island》渡りを付与するため、ギルドランドを渡ってくるので、《島/Island》が入ったデッキで、生物同士の殴り合いは非常に不利になります。（《変わり谷/Mutavault》も渡ってきます。）薬瓶と相性が良いのは、《珊瑚兜の司令官/Coralhelm Commander》で、レベルアップががっちりと噛み合います。また、《メロウの騎兵/Merrow Reejerey》の能力は、土地をアンタップして擬似マナブーストをしたり、ブロッカーをタップさせたりと、地味ですがとても融通が利く能力になっています。
スペルは、青らしく軽量カウンターで占められており、大振りなデッキは辛い勝負を強いられるでしょう。クロックパーミッション強いですね。
サイドは、全体除去や除去デッキへの対策が多く採られます。
大いなる梁紡ぎ、綺羅は、スタンダードではあまり印象に残っていないのですが、全ての生物へのファーストアクションを打ち消すので、生物の除去が艱難になり、押し切れる時間を作ってくれます。特に、重いジャンドなどによく利きます。（薬瓶から出るしね。）
《残響する真実/Echoing Truth》は、置物を戻したり、トークンをバウンスしたりと非常に高性能なバウンススペルです。全体除去は、主に《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》でこなします。また、生物対策として、《不忠の糸/Threads of Disloyalty》や、誘惑撒きもよく見かけるサイドです。
なお、最近は《睡眠/Sleep》がサイドに入っているケースが多く見られるので、生物同士で殴りあった際に、計算が狂わせることができます。ってか、撃ったら大体ゲーム決まる…。
このデッキへの対策は、やはりスピード勝負です。展開が薬瓶ベースのため、受けに回らせれば案外そのまま押し切れたりします。
また、除去の連打も有効です。マナ域が軽い生物が主体になるため、通常であれば線が細くなりがちですが、数々のロードのため、細かさが補填され、がっしりしたパンチ力になります。そのため、通常の火力を過信すると火力が利かなくなる可能性があるので、１体１体確実に捌く事が重要になります。
全体除去は非常に有効ですが、カウンターを握られていると駄目だったり、ロード補正でいきなり大ダメージを食らったりするので、引き付けるよりも、欲張らずに撃つ方がいいでしょう。ちなみに、赤の全体火力はタフネスの補正が掛かる事を見越して撃たないと、シャクられるどころの被害では済まなくなるので注意です。
一番効く火力は、《焼却/Combust》でしょうね（笑
バリエーションとして、青黒型と、青白型が見られます。
青白型は、シグ、《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt》等が採用されており、守備や、長期戦に強くなっています。
青黒型は、上にサンプルレシピを載せました。こちらは、黒の最強生物である《闇の腹心/Dark Confidant》を採用しており、アドバンテージを稼げる構成になっています。また、除去や《謎めいた命令/Cryptic Command》等のユーティリティも採用されており、デッキパワーが高くなっています。
■UW Tron
【Main Deck
1《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》
1《埋没した廃墟/Buried Ruin》
2《天界の列柱/Celestial Colonnade》
1《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
2《島/Island》
1《霧深い雨林/Misty Rainforest》
1《平地/Plains》
4《金属海の沿岸/Seachrome Coast》
1《トレイリア西部/Tolaria West》
4《ウルザの鉱山/Urza’s Mine》
4《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》
4《ウルザの塔/Urza’s Tower》
1《真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth》
4《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet》
2《卑下/Condescend》
1《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
1《審判の日/Day of Judgment》
1《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
2《探検の地図/Expedition Map》
3《けちな贈り物/Gifts Ungiven》
1《解放された者、カーン/Karn Liberated》
1《軍部政変/Martial Coup》
2《精神隷属器/Mindslaver》
4《流刑への道/Path to Exile》
4《差し戻し/Remand》
2《撤廃/Repeal》
4《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
1《神の怒り/Wrath of God》
【Sideboard
1《悪斬の天使/Baneslayer Angel》
1《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》
2《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》
1《ウギンの目/Eye of Ugin》
2《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
3《法の定め/Rule of Law》
4《機を見た援軍/Timely Reinforcements》
1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
往年のトロンです。モダンでは、《けちな贈り物/Gifts Ungiven》を搭載した青白が良く見られます。
環境初期では、神座のために、見向きもされなかったんですが、禁止のせいで環境が低速化し、カードパワーを発揮できるようになったため、最近増えています。
ラヴニカ〜らせん期によく見かけたトロン。
×アンティキティーのウルザ地形を揃えて、爆発的なマナを生成し、コントロールするデッキです。
全体的に重いカードでのコントロールを主軸にしているため、ウルザ地形を場に出すのが最初のミッションになるのですが、これには、《けちな贈り物/Gifts Ungiven》を使用したりします。まぁ、それは極論でも、ゼンディガーの《探検の地図/Expedition Map》、《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》があるため、《知識の渇望/Thirst for Knowledge》で捨てて墓地経由だったり、ライブラリーから探してきたり、《探検の地図/Expedition Map》を《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》で回したりすれば割と揃います。
このデッキでは、《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》で強力アーティファクトをしゃぶりつくすのも勝ち手段の一つであるため、他のデッキよりも《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》の価値が高いです。特に、10マナ揃った状態で精神《隷属/Enslave》機を回されると、全部相手にコントロールされて生にます。精神《隷属/Enslave》機は、ルール改正により、サイドボードの確認も出来てしまうため、要注意です。
ジャッジメント系は、各種優秀なものがちりばめられていますが、これは《けちな贈り物/Gifts Ungiven》のためです。
他の特徴として、PWのカーン、4枚ドローのコジレック、《隔離するタイタン/Sundering Titan》などの重力爆撃打線が採用されることが多いです。
案外カウンターもいい数採用されている場合が多いため、常に警戒が必要です。
サイドボードからは、機をみた援軍が入ってきます。そのため、生物デッキには非常に強くなります。正直、モダン環境での《機を見た援軍/Timely Reinforcements》は、後続が強いために、スタンダードよりもはるかに強力な影響を及ぼします。2〜3ターン余裕ができれば、爆薬の連打や、隷属機など、リカバリ出来ない領域に入ることができるため、凄まじく強く感じると思います。また、ワームコイルエンジンや、《悪斬の天使/Baneslayer Angel》まで採用されるので、ライフを攻めるデッキには、まさしく無双状態になるでしょう。（こんなにケアできねぇ！）
対策としては、やはり《血染めの月/Blood Moon》です。除去にマスデスが多いため、《月の大魔術師/Magus of the Moon》も十分な効果を発揮できるでしょう。とにかく、土地が強いので、《大爆発の魔道士/Fulminator Mage》も有効です。殻では、こちらの方が運用し易いでしょう。ただし、印鑑で色マナの補給が可能ですので、他の対策同様、過信は禁物です。
また、アーティファクトの含有量が多めですので、古の遺恨を始めとしたアーティファクト対策もしっかりしておきたい所です。ただし、《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》があるので、だらだらしているとあっという間にアドバンテージを取り返される事もお忘れなく。
バリエは、各種他の色のトロンがあります。
緑を積む場合は、《歯と爪/Tooth and Nail》で、エルドラ祭りになりますし、赤緑の場合は、《歯と爪/Tooth and Nail》に加え、《裂け目の突破/Through the Breach》でシュートしてきます。
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